コラムNo,061|不動産売却と不動産譲渡の違いってあるの?
不動産売却は対価を受け取ることが要件
不動産売却とは売買契約を締結して、対価を受け取ることで、
不動産の所有権を自己から他者へ移すことを指します。
この場合、受け取る対価は対象となる不動産の市場価額と比較して、
ほぼ同じくらいの金額である必要があります。
少し高い場合や少し安い場合であっても法律上、売却として扱われますが、
大幅に異なる金額であった場合には売却としては扱われません。
大幅に高い金額で不動産を売った場合には、
売却と同時に金銭の譲渡を受けたと法律上は解釈されます。
また大幅に安い金額で不動産を売ったケースにおいては、
一部を売却して残りを無償で譲渡したと解釈するのが妥当と言えます。
土地や建物などの不動産を売却した場合には確定申告をしなければなりません。
そのためどういった場合に売却をしたと解釈されるのか、
しっかりと理解しておくことが大切です。
一部を売却したと解釈されるケースにおいては、
申告する際の金額にも注意する必要があります。
不動産譲渡は有償無償を問わない概念
不動産を譲渡するといった文言を聞いたことがある人は多いでしょう。
しかし、譲渡と売却の区別がつかないという人が多く見られます。
譲渡というのは売却よりも広い概念で、売却もこれに含まれます。
つまり有償無償を問わず、所有権を自己から相手に移す行為を指します。
市場価額とほぼ同じくらいの金額の対価を受け取り、
所有権を相手に移転させることを売却と言います。
これに対して譲渡であれば、
対価を受け取らずに土地や建物などの不動産の所有権を移転させるだけで、
法律上の要件に当てはまります。
対価を受け取った場合に市場価額とだいぶことなる金額であっても問題ありません。
そして、不動産を譲渡することで所得を得たら、
確定申告をすることになります。
しかし無償の場合には所得を得ていないため、法律上申告義務は生じません。
しかし、登記簿上の所有者に変更が生じることになるため、
法律上の義務として所有権移転登記を行わなければなりません。
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