コラムNo,012|収益物件を売却する適切なタイミング
収益物件を売るならいつがいい?
景気回復や金融緩和などを背景に、
所有する収益物件の売却を考える人が増えています。
しかし、本当に今が売却すべきベストなタイミングなのか、
しばらく持ってから売却するほうがいいのか、
はたまた当分は持ち続けるべきなのか…という悩みも生まれています。
収益物件売却の好機については様々な考え方があり、
その時点での社会情勢や経済動向に左右される面が大きく、
一概に「この時期なら最適」という判断はしかねるものです。
その中で、収益物件を売却するにあたっての
ポイントをおさえておきましょう。
購入時<売却時、とは限らない
数年前に不動産を購入した時点では、
「買ったときよりも高く売れる」と考え、
今も同じ理由で売却を考えている人は多いものです。
しかし、購入時と売却時の価額の比較は、
あくまで一つの基準にはなるものの
合理的な判断基準とは言えません。
取得後10年も経つと、ほとんどの物件は
売却価額が購入時の価額を下回るものですが、
たとえそうであっても売却するほうが望ましいケースはあります。
また、売却価額が購入時の価額を上回ったとしても、
購入時に支払った仲介手数料や登録免許税、
不動産取得税などを差し引くと、
実質的にはあまり利益が得られない結果となる可能性もあります。
そうしたことから、購入時の価額との比較を判断基準として用いるのは、
あまり賢明とは言えないのです。
投資家の眼でベストタイミングをつかもう
物件の売買を投資の目的で考えるとき、
多くの人は時間を軸とした視点を見落としがちです。
投資という行為は、元の資金を投下し運用して増やすことです。
投資の世界では、元金が数年後には倍以上に増えていることもあり得ます。
ということは、運用して増やすことを前提にした場合、
今すぐ売却した場合の5,000万円が、
10年後に売却した場合の8,000万円を上回る可能性を
持っていることも十分考えられるのです。
投資先を持っている、あるいは投資先を探している人は、
こうした時間を軸とした意識を常に持ち、
判断に際して現実的なシミュレーションを行う姿勢が不可欠です。
条件によっては、今すぐに売却して次の投資のために
自己資金を充実させるほうがよいケースもあります。
しかし、収益物件を売却するタイミングについては、
売却価額や金利の変動、賃料の推移、大規模修繕の必要性など、
様々な角度から慎重に検討して判断することが基本です。
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